建辞郎建設・土木の用語辞典

高力ボルト軸力管理

こうりょくぼるとじくりょくかんり

音声:VOICEVOX:雀松朱司

検査・品質管理

高力ボルト軸力管理とは

鉄骨構造物の接合部において、高力ボルトが設計通りの張力(軸力)で部材同士を強固に締め付けているかを確認し、品質を保証する管理手法のこと。地震や強風による応力を摩擦力で伝達する鉄骨造において、接合部のすべりや緩みを防ぎ、建物の構造的な安全性を担保する目的で実施される。主に鉄骨建方工事が完了し、建物の歪みを直す「建入れ直し」が終わった後の本締め工程で行われる。一般的な高力六角ボルトではトルクレンチを用いて締め付けトルク値から軸力を推測して管理するのに対し、トルクシア形高力ボルト(S10T等)では、一定の軸力に達すると先端のピンテールが自動的にねじ切れる仕組みを利用して視覚的に完了を確認する違いがある。

現場での使われ方・注意点

現場では単に「本締め確認」や「軸力検査」と呼ばれ、鉄骨鳶が専用の電動工具(ナットランナー)を用いて締め付けた直後に、施工管理者や第三者検査機関が実施する。段取りの勘所は、一次締めからマーキング、そして本締めへと至る手順を厳守し、天候の急変で摩擦面が濡れる前に手際よく締め付けを完了させることである。通常のボルト締めと異なり、高力ボルトは部材を挟み込む強い力で生じる摩擦で強度を持たせるため、締め付け不足は致命的となる。典型的な失敗は、ボルトとナットが一緒に回ってしまう「共回り」を見逃すことである。ピンテールが破断していても実際の軸力は不足しており、重大な強度不足を引き起こすためマーキングのズレ確認が欠かせない。

別の呼び方

こうりきぼるとじくりょくかんり軸力管理ピンテール破断管理高力ボルト軸力マネジメントハイテンボルト軸力管理

検査・品質管理の中での位置づけ

高力ボルト軸力管理は「検査・品質管理」の用語です。同じ分類で、ほかの語の説明に最も多く出てくるのは品質管理(4語の説明に登場)です。工程や用語同士の関係は検査・品質管理の基礎、この分類の51語は検査・品質管理の用語一覧、ほかの分類は建設用語一覧から読めます。

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※ 実際の施工では、設計図書・仕様書・現場の指示を優先してください。誤りはお問い合わせへ。

この項目の最終更新: 2026-06-23