ベンチ工法
べんちこうほう
音声:VOICEVOX:雀松朱司
ベンチ工法とは
上下水道管の埋設などの開削工事において、土砂の崩壊を防ぐため、掘削壁面に階段状の平坦な段であるベンチを設けて、段階的に深く掘り下げていく掘削工法です。急な傾斜で一気に深く掘るのと比べて、斜面の安定性を保ち、土砂崩れの危険を劇的に低減させる目的で行われます。山間部の道路造成や大規模な地中構造物の基礎工事など、広い作業ヤードが確保できる現場の土工事で採用されます。掘削の深さや地質に応じて、一段だけ設けるシングルベンチと、複数段の階段状にするマルチベンチ(多段ベンチ)に分かれます。
出典: 水道施設設計指針(日本水道協会)
現場での使われ方・注意点
土木作業員や重機オペレーターからは「ベンチ掘り」や「段掘り」と呼ばれます。各段にバックホウなどの重機を配置するため、重機が安全に上り下りできる進入路の構築と、掘削した土を上段へリレーして搬出する重機配置の段取りが作業効率を大きく左右します。鋼矢板を使った山留め工法と比べると、資材費が不要な反面、非常に広大な掘削面積が必要になる点に違いがあります。よくある失敗は、ベンチの幅を狭く取りすぎてしまい、ベンチ上に仮置きした土砂の重みで斜面が崩壊し、下部で作業する人員が巻き込まれる事故です。
別の呼び方
段階掘削stepped excavationステップ工法段掘り工法階段掘削工法ベンチカット
土工事の中での位置づけ
あわせて読みたい用語
※ 実際の施工では、設計図書・仕様書・現場の指示を優先してください。誤りはお問い合わせへ。
この項目の最終更新: 2026-06-10