杭の負の摩擦力
くいのふのまさつりょく
杭の負の摩擦力とは
杭の負の摩擦力(ネガティブフリクション)とは、建築基礎構造設計指針などでも注意喚起される、杭の周囲の地盤が沈下する際に、土砂が杭の表面に張り付いて下方向へ引きずり降ろそうとする力のことです。通常、杭の表面の摩擦力は建物の重さを支える(上向きに働く)頼もしい存在ですが、埋立地などの軟弱地盤の上に新たに盛土をした場合や、地下水が抜けて地盤沈下が起きた場合、周囲の土が杭よりも早く沈み込むため、摩擦力が逆の「下向き」に働いてしまいます。これにより、杭そのものに建物の自重以上の過大な荷重(軸力)がかかってしまうという、設計上非常に危険な現象です。
現場での使われ方・注意点
海の近くの埋立地や、ズブズブの軟弱な粘性土の上に建物を建てる際の杭打ち工事で特に警戒される現象です。設計上の勘所は、建物的重さだけでなく、この負の摩擦力(NF)によって杭が地下へ引きずり込まれる分の力も合算して、それでも折れない太さと強さの杭を選ぶことです。よくある失敗は、地盤沈下が収束していない土地でこの下向きの力を甘く見積もって普通の杭を打ってしまい、数年後に土砂の重みで杭の頭が砕けたり、建物全体が傾く不同沈下を引き起こすことです。これを防ぐため、現場では杭の表面に特殊なアスファルトを塗って土を滑らせ、摩擦を縁切りする対策工法も採用されます。
別の呼び方
NFくいのふのまさつりょくネガティブフリクション
設計・図面の中での位置づけ
杭の負の摩擦力は「設計・図面」の用語です。同じ分類で、ほかの語の説明に最も多く出てくるのは固有周期(2語の説明に登場)です。工程や用語同士の関係は設計・図面の基礎、この分類の70語は設計・図面の用語一覧、ほかの分類は建設用語一覧から読めます。
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※ 実際の施工では、設計図書・仕様書・現場の指示を優先してください。誤りはお問い合わせへ。
この項目の最終更新: 2026-06-23