建辞郎建設・土木の用語辞典

薬液注入工法

やくえきちゅうにゅうこうほう

音声:VOICEVOX:雀松朱司

基礎工事

薬液注入工法とは

地盤の強化や地下水の止水を目的として、地中に細い注入管を挿入し、化学的な薬液を圧入して土粒子間の隙間に浸透させ、固結させる工法のこと。地下水の流れを遮断する止水性の確保や、近隣構造物の不同沈下を防ぐための地盤補強として用いられる。主にシールドトンネルの発進・到達部の防護や、開削工事での盤ぶくれ防止など、土留めや掘削に伴う地盤安定化の工程で採用される。使用される薬液には、水ガラス(ケイ酸ナトリウム)を主成分とする無機系や、ウレタン樹脂などの高分子系があり、一時的な止水が目的か、あるいは恒久的な地盤強度の増加が目的かといった施工条件の違いによって、適切な材料と固結時間が使い分けられる。

出典: 土木工事標準仕様書(第2編 基礎工事)

現場での使われ方・注意点

現場では単に「薬注(やくちゅう)」と呼ばれ、地下水対策や隣接構造物直下の地盤補強が必要になったタイミングで地盤注入工が施工する。段取りの勘所は、薬液のゲル化時間(固まるまでの時間)を土質や地下水流速に合わせて正確に調整し、複数の注入孔を適切な順序で打設して止水壁を隙間なく形成することである。セメントミルクなどを高圧で噴射して土を攪拌する「高圧噴射撹拌工法」と似ているが、薬注は低圧で土粒子間に浸透させるため、周辺地盤を乱しにくい点が異なる。よくある失敗は、注入圧力を高くしすぎることによる薬液の地表への噴出(漏出)や、周囲の舗装や埋設管を隆起させてしまう現象であり、圧力と流量の常時監視が欠かせない。

別の呼び方

グラウト工法化学注入Chemical grouting地盤注入工法薬注水ガラス注入

基礎工事の中での位置づけ

薬液注入工法は「基礎工事」の用語です。同じ分類で、ほかの語の説明に最も多く出てくるのは場所打ち杭(4語の説明に登場)です。この分類の28語は基礎工事の用語一覧、ほかの分類は建設用語一覧から読めます。

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※ 実際の施工では、設計図書・仕様書・現場の指示を優先してください。誤りはお問い合わせへ。

この項目の最終更新: 2026-06-10