建辞郎建設・土木の用語辞典

摩擦杭

まさつくい

音声:VOICEVOX:雀松朱司

基礎工事

摩擦杭とは

建物の重さを地盤に伝える基礎杭の一種です。通常は固い岩盤などの支持層まで杭の先端を届かせて支えますが、その支持層が地下の極めて深い場所にあり、物理的・コスト的に杭を到達させることが困難な場合に採用されます。先端で踏ん張るのではなく、杭の側部(外周面)と周囲の土砂との間に生じる「摩擦抵抗力(周面摩擦力)」によって、建物全体の荷重を抱え込むようにして支える仕組みです。軟弱な粘土層や砂層が非常に厚く堆積している河口付近のデルタ地域や、埋立地などにおける中低層建物の基礎工法として選ばれることが多いです。

出典: 土木工事標準仕様書(第2編 基礎工事)

現場での使われ方・注意点

現場の基礎工や監督の間では「まさつぐい」と呼ばれます。先端の地盤の硬さで支える「支持杭」とは構造の考え方が根底から異なるため注意が必要です。この杭で最も重要なのは周囲の土との摩擦力であるため、掘削孔を拡げすぎて隙間ができたり、孔壁が崩れてスライムが挟まったりすると、十分な摩擦が得られず建物が不同沈下する致命的な失敗に直結します。現場打ち杭の場合は孔壁を維持する泥水の濃度管理が、既製杭を沈める場合は杭の周囲に充填する固定液(セメントミルク)の適切な配合と確実な注入作業が、品質を左右する最大の勘所となります。

別の呼び方

側面摩擦杭Skin friction pile摩擦杭基礎周面摩擦杭フローティングパイル

基礎工事の中での位置づけ

摩擦杭は「基礎工事」の用語です。同じ分類で、ほかの語の説明に最も多く出てくるのは場所打ち杭(4語の説明に登場)です。この分類の28語は基礎工事の用語一覧、ほかの分類は建設用語一覧から読めます。

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※ 実際の施工では、設計図書・仕様書・現場の指示を優先してください。誤りはお問い合わせへ。

この項目の最終更新: 2026-06-10